第2回である今回は、地蔵坂にあるカフェ・ギーゾさんにインタビュー致しました。鳩の街で生まれ育ったマスターがこの街でお店を始めた経緯、珈琲へのこだわり、マスターから見たこの街のお話をたっぷりうかがいました。
参加店インタビュー|002|カフェ・ギーゾ スタッフ:まず、ギーゾさんの方から、このお店の紹介を簡単にして頂きたく思います。セールスポイントというか。 ギーゾ:うちはコーヒーが好きで始めたんで、コーヒーを飲んで頂きたいんですけど。実際やってみると案外コーヒーよりもモッフルとかそっちの方が出たりしていて。コーヒーの入れ方はプレス式という方法なんですが、いいかなと思ってやっているんですけど、まだなかなか馴染んでないみたいで。好きな方で解ってくださる方はいいんですけど、昔からの方法のを飲んでらっしゃる方には抵抗があるみたいで。ここら辺に下町散策に来た方なんかは喜んで飲んで貰って、また何ヶ月後かにまた飲みに来て頂いて、そういう方が多いですね。嬉しいですね。 あとはあの、モッフルがここらへんではやっていないと言われたんで、じゃあそれもいいかなって。モッフルの方は、そこに隅田川高校があるので、高校生が来て食べに来てくれたりしますね。 スタッフ:最初からそういう狙いはあったんですか? ギーゾ:全然ないです。珈琲のお店だったんで、大人の方が来てくれるという風な思いでやったんですけど。思いとは裏腹に。大学が近くだったら、珈琲飲んでとかってあったんですけど。僕はだから、高校生は来ないと思っていて、けど来てくれるようになったんで、嬉しい誤算ですね。 スタッフ:モッフルって初めて食べたんですけども、昔からあるものなんですか? ギーゾ:僕もあまり詳しくわかんないんですけど、これを作ってるメーカーが、たまたまお餅を入れて作ったらこういう風になったようです。3年くらい前に、お店やりたくて合羽橋ってあるじゃないですか。あそこに何回も何回も行ってたんですけど、そこで売ってたんですこの機械が。で、それでたまたま気になったんで聞いてみたんですよ。そしたら、こうやってやるやつだって説明してくれて。その日は帰っちゃったんですけど、すごい気になってたんで、次の日慌てて買いにいって。で、うちに甥っ子がいるものですから食べさせてみたり色々してて、じゃあ将来やるときに、おまけ的なものとして使ってみようかなと思っていました。そしたら、ここらへんでやってないって聞いたんで、珍しいからいいかなと。ちょっと僕も変わりものなんで、人と同じのがあまり好きじゃないものですから。多分、普通の喫茶店とは出してるものがだいぶ違うとは思うんですけどね。 スタッフ:お店は開店してからどれくらいなんですか? ギーゾ:今月でちょうど一周年です。 スタッフ:その前はなにをされてたんですか? ギーゾ:その前はうちの手伝いをしてたんです。 スタッフ:元々こちらにお住まいなんですか? ギーゾ:僕はあの鳩の街商店街のこぐまさん、あそこの近くです。 スタッフ:じゃあ一寺小学校? ギーゾ:そうです。 スタッフ:失礼ですが、おいくつなんですか? ギーゾ:今月で39です。ちょうど誕生日にオープンしたんです。26日が誕生日でちょうどその日に。 スタッフ:やはり自分が生まれ育ったところでやりたいなと思ったんですか? ギーゾ:ああでも、そういう考えは初めなかったんです。あまり近くでじゃなく、ちょっと離れたとこでやろうかなと色々探してたんですけれど、なかなかいい物件がなくて。で、もう最後は近所というか墨田区を回るようになって、久しぶりにこの地蔵坂通りに来たんです。そしたらたまたま張り紙してあって。ちょっと問い合わせしてみて。で、あのやっぱり一人でやるものですからちっちゃいところでないといけなくて。これくらいの大きさの物件てっないんです。ここの倍とかっていったらあるんですけど、そうすると家賃も高くなっちゃうし。ちょうど家から近くで手頃だったんで。 スタッフ:一人でやってらっしゃるんですか? ギーゾ:そうですね。昼は食事を出してるんで母に手伝いに来てもらってるんですけど、後は基本全部一人で。 スタッフ:いつころからお店を始めたいなって思ってらしたんですか? ギーゾ:そうですね。いつだろう5、6年前からなんかやりたいな、と思って。食べ物屋をやりたいな、と思っていて、珈琲が好きだったのでコーヒーに関わるものができればと思いました。 スタッフ:何かきっかけってあったんですか ギーゾ:きっかけというか、年的にも、会社勤めもなくて。集団でやるのも好きじゃないし、独りでこつこつやりたいなぁと、そうすると自分一人でやるしかないなぁと、そうすると小さなお店しかないなぁと。 スタッフ:内装が素敵ですね ギーゾ:ここの内装は、こぐまさんの前にあそこでお店をされていたウナマノさんという方がいるんですけど、その方と懇意にしてもらっていたので、その方に設計して頂いて一緒に作って貰いました。ほとんど資金の関係で 佐藤さんという設計士さんと一緒に考えて、塗れるところは僕が塗ったんですけど。 スタッフ:ここは元々どういう物件だったんですか。 ギーゾ:もともと事務所だったらしいんですけど。一年か二年くらい空いてたらしいです。はじめ、飲食店は駄目だって言われたんですけど。喫茶店とかそういう風な、あんまり大掛かりじゃないからということでオッケーをもらいました。 スタッフ:結構古い木材を使っていらっしゃいますよね。 ギーゾ:今のこぐまさんもそうなんですけど、あそこはウナマノさんが持ってきたものを使っていて、僕もその外側だけ古材を使いました。 スタッフ:あの扉がすごいですよね。 ギーゾ:木場の方に問屋さんがあるんですけど、木材の。一緒に行かせてもらって、選ばせてもらって。ただ、中は古いのを使うと暗くなっちゃうので、僕はどうしても明るい店にしたかったんで、中は新しめで、外とか部分部分で使わせてもらいました。 スタッフ:あと、お店の中に気配りが感じられますよね。 ギーゾ:やっぱし設計士さんが女性なので、一緒に相談しながら。狭い店なので、テーブルの方も既製品がなかったんですよ、だから一緒にやっている大工さんにお願いして。5ミリくらい大きいのはあったんですが、その5ミリを大きくすると後ろが通れなくなったりとかあったので、自分で計りながら。あと、こっちのベンチなんですが、小さいお子さんが来た時も座れるからベンチがいいなと無理いってこうしてもらいました。 スタッフ:膝掛けを用意していたり、気配りですよね。なんとなく女性的なものを感じます。 スタッフ:近距離にあっても、こぐまさんとはまた違う雰囲気がしますね ギーゾ:そうですね、僕はどうしても中が明るいお店をやりたかったので。 スタッフ:確かにすごく明るい ギーゾ:喫茶店ではあまり明るいというのはないですよね。喫茶店をやりたいからやったんじゃなくて、珈琲を飲んで貰いたいからそういうお店があればと思って スタッフ:喫茶店という括りではなく、 ギーゾ:そうですね。喫茶店の修行もしていませんし、珈琲の豆を売っているところばかりを探して歩いて、気に入ったのを7、8年ずっと探して見つけて、こういうのを出したらいいんじゃないかということで始めました。 スタッフ:こだわりの珈琲なんですね。 ギーゾ:特別ではないんでしょうけど、新しかったりするんで、これ(コーヒープレス)で出せるんですよ。新しい豆だとおいしく出せるんですけど。ただ独特なので、初めはお客さんも「えっ」て感じの方もいらっしゃいますね。少し粉っぽく出ますし、ちょっと油も浮くんですけど、油って古いってイメージがあるんですが挽き立てた油は新しくて、その油の中に巧さがあるんで、ペーパーで濾すのって絶対やだなって。ただ、少し癖があるんで、今までの珈琲を飲んでいる方だと「ちょっと・・・」となりますね。何回か飲んでくださると、「ああっ」てなると思います。 珈琲に特別詳しいという訳でなくて、自分でいいなぁと思っているから、お客さんはどうかわかりませんが、独りよがりで出している感じで。ただ、うちの家族はみんな気に入ってもらっていて、飲んでいます。小学校の5年生になる甥っ子も飲んでくれていますね。家族にはいいんですけど、なかなか広まらなくて、難しいですね。 スタッフ:でも常連さんなんかはいますよね。 ギーゾ:少しはいますが、今景気も悪いですし、毎日のように来るって方は少ないですね。 スタッフ:今回「おしょくじ」に参加して頂いた理由をお聞きしたいんですが。 ギーゾ:三宅さんに来て頂いて、いろいろ語ってくださったんで、思いとか。食事もお昼はなくなり次第終了ぐらいしか出していないので、あれかなと思ったんですけど、せっかく来てくださったし、まちを盛り上げてくださればと思ったし、僕もずっと住んでいるのに、協力しないのも変な話だと思ったので。 スタッフ:おしょくじの札紙を持ってきてくださったお客さんっていらっしゃいましたか。 ギーゾ:二人か三人ですね。前にきてくださった方で、大学生なんですけど、「引いたら出ちゃいましたっ」て来てくれました。 スタッフ:(お店を始められたのは)地元を盛り立てるという感じもあったんですか。それよりも珈琲屋さんをやりたいという。 ギーゾ:そうですね、そっちが先ですね。それで若い人がやるお店が増えていけばいいんですけど。とりあえず自分がやってみないとわからないので、とりあえずやってみようと。今回は思い切ってできたからお店を開いたんですけど。多分ここの場所じゃなかったらやってなかったかもしれませんね。あと、思い切るまでに勇気がいるわけで、でも今回は場所が決まったらトントンと進んで。何か縁を感じますね。 スタッフ:先ほど若い人がどんどんお店をやればといいなぁとおっしゃっていましたが、どういうまちになっていったらいいなと思っていますか。 ギーゾ:うーん。やっぱりお年寄りのまちじゃなくて、若い人も来るまちになると、これからタワーも出来ますし。僕らくらいって結構残っていない人が多いじゃないですか。外からでもいいから、まちでお店をやりたいなって。今ってショッピングセンターみたいなそういうとこばっかりで、つまらないと思うんです。だったら個人で、何の店でもいいんですが開いていると、まちが広がるじゃないですか。今って縦に伸びているけど、昔と比べると外は真っ暗ですよ。僕らがそれこそ小学生くらいの時は、このくらいの時間に外に出ても、2階建てくらいの建物ばっかだったんで、明るくて、人の声が聞こえて。人は増えているのかもしれないけど、でも街自体は暗くなったなと思っていて、だから小さいお店でいいから開いていれば、一カ所だけじゃなくて、ぽつぽつとでもあれば。大きなチェーン店とか苦手なものですから。それはそれでいいんでしょうけど、そればっかりじゃつまらないし、こういうまちだからこそ地域になかなか入り込まないでしょうから、小さいお店が開いていけば。ただ、収入がないとやっていけないんで、自分もぎりぎりで。 スタッフ:では最後に、このお店を今後このようにしたいっていう展望をお聞かせください ギーゾ:自分が始めたのは珈琲が好きということで始めたんで、うちの珈琲を飲みにくる方が増えてくださればいいんですけど、それと個人の小さなお店を気に入ってくださる方が増えてくれれば いいなぁと思います。チェーン店とは違う変わったお店があるよってわかってくださればと思います。 スタッフ:フェアトレード珈琲を頼んでいいですか。作っているところを見せて頂ければ・・・ カフェ・ギーゾ 墨田区東向島3-35-7 03-3611-0026
by osyokujima
| 2009-05-14 01:23
| 参加店インタビュー
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